池上貴俊

複雑な現象を支配する単純な構造を見出し、
様々な分野の発展に役立てたい

池上貴俊
IKEGAMI Takatoshi
高橋研究室・助手

私は超離散方程式と呼ばれる時間発展方程式の研究をしています。私が取り扱っている対象に限らず、多種多様である数学全般を見て感じることは、一見して複雑な仕組みのように思える現象であっても、その裏には統一的で美しい多くの構造が隠れているということです。それらの構造の発見により、意外な分野との結びつきが見つかることは少なくありません。

考えてみれば、この世の表面に表れる現象は、複雑に絡み合っているけれども、その根幹は非常に単純なものである、という可能性は十分想像できます。それならば逆に、理解が容易な単純な構造であったとしても、それをいくつか組み合わせることによって、諸々の現象を表現、理解することが可能になるのかもしれません。私は現在、多くの先人によって発見、構成されてきた数学的構造の恩恵を受けて研究を行っています。この研究がこの先、また違う誰かの研究の礎となり、社会発展の大きな流れの一部となってくれることを願いつつ、研究を続けていきたいと考えています。