数学に魅せられ、いつしか研究までするようになり、今年で早稲田10年目となりました。大まかにいうと、私は代数学の中の数論という分野を研究しています。数論は数学の女王と呼ばれ、古くから多くの人々によって活発な研究がなされています。

さて、数論という分野では、ゼータ関数という名前の関数が多数登場します。これらのゼータ関数は多くの美しい性質持ち、数学者達を魅了してきました。中でもリーマンゼータ関数は有名です。100万ドルもの懸賞金がかけられているリーマン予想は、リーマンゼータ関数と素数の分布に関するもので、暗号理論等、現代の生活に欠かせない技術と深く関わっています。私の研究分野は、これらのゼータ関数の中の一つである〝群〟のゼータ関数についてです。この関数にはその他のゼータ関数が持つような興味深い性質があるのでしょうか？

日々学び、研究を続けていると、いろいろと面白い発見があります。これらの多くは他の数学者の方が面白いと思うものとはいえず、ましてや社会に貢献できるようなものからは程遠いと言えますが、これらの小さな発見が全ての始まりであると信じて、日々研究を続けています。